なぜ銀杏は独特の香りがするの?気になるニオイ消しと食べる時の下処理方法とは
そろそろイチョウが色づきはじめますね。並木通りを歩いて紅葉を見たり秋は素敵な季節です。でも、気になるのがイチョウの木の下に落ちる銀杏…この「銀杏」のニオイ気になりませんか?かなり独特の香りですよね。なぜ銀杏はあのニオイを発生させるのでしょうか?今回はその銀杏の香りについて説明します。
2017年09月22日更新
記事の目次
[1]銀杏とは?
イチョウの木になる実のことを「銀杏」と言います。イチョウの木は種子植物ですが、おしべとめしべのように花の花粉で受粉をしません。木自体にオス・メスがあり、春に受粉滴により胚珠の中に花粉を取り込んで結実して実を作ります。
実を付けるのはメスの木だけで、あの独特のニオイを放つのはオスの木だけなのです。
イチョウの実
秋になると黄色く色づくイチョウは、中国原産の裸子植物です。中世代から今のまま変わらずその姿を残してきました。イチョウは「生きる化石」と言われています。
植物の中でも、ほとんど形を変えずに現代まで残ってきたのです。
銀杏の効用って?
銀杏は、古来中国ではせき止めや泌尿器科系の夜尿症・頻尿の改善などに使われていて、コレステロールを減らして滋養強壮作用があるなどの様々な効用があります。
中には、美肌を作る栄養素がたくさん含まれています。老化防止や、美肌対策もできる銀杏はエイジングケアやダイエットに向いている植物なのです。銀杏は実だけでなくイチョウにもエイジングケアに優れた効用があります。
脳血管を広げ、学習能力を高めることや、物忘れを防止する効果があると言われいて、ヨーロッパなどではアルツハイマーの薬として使用されてきました。銀杏は、実だけでなくイチョウの木にも色々な効用があるのですね。
- 成分
銀杏には神経に働くビタミンB6の作用を妨げる物質が含まれているので、食べ過ぎてしまうと痙攣などの中毒が起きることがあります。
ですが、脂質、タンパク質、糖質、ビタミンA群、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、鉄分、カリウムなどとても栄養価の高い食材です。
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秋の味覚として親しまれている銀杏ですが、摂取量を守って食べ過ぎないようにしましょう。
[2]銀杏のニオイってなぜ発生するの?
銀杏は、動物に食べられないようにニオイを発生させます。繁殖するために護身用としてこの独特の香り身に身に着けて、あの美しいイチョウが出来上がってきたのですね。
銀杏はなぜ臭い?
先述した通り、銀杏が臭い理由は実を守る為です。実が熟してきたときに、外敵に狙われないように外皮から独特の香りを放ちます。このニオイを放つことで、外敵のニホンザルやネズミは実を食べません。
銀杏の持つニオイ、「ブタン酸」と「ヘプタン酸」は哺乳類全般が嫌うニオイとされていて、人間の足のニオイにも存在する物質なので人間はとても敏感に感じこの銀杏のニオイを不快に思うのです。
ニオイの原因って?
銀杏のニオイの成分にはいくつか種類があり一つはブタン酸という、脂肪酸の分解過程で発生するニオイです。実は、人間の足からも発生するニオイなので身近に感じるニオイだからこそ敏感に感じ取ってしまうのです。
そしてもう一つが、ヘプタン酸という時間が経って腐ってしまった油のような独特なニオイです。この二つのニオイがあの銀杏独特の香りを、発生させている原因なのです。
[3]踏んでしまった銀杏のニオイを消すことは出来るの?
秋になって、紅葉を見に行きイチョウ並木を歩いているとき、「うっかり銀杏を踏んでしまった…」「歩いてる道に潰れた銀杏があって靴についてしまった…」そんな経験ありませんか?ついてしまった銀杏のニオイはすぐに対処すればきちんと消す事ができますよ。
靴で踏んでしまった時
綺麗なイチョウ並木を歩いていたら、銀杏の実を踏んでしまった時は必ず靴についてしまった実は取り除きましょう。
- 重曹を使ってニオイ消し
重曹はニオイを消したり、汚れを取ったりするにはとても便利です。重曹を使えば時間が経ってしまった銀杏のニオイも簡単にとることが出来ます。
- 1.まずニオイのついてしまった部分に重曹をふりかけます。
- 2~3時間放置します。それから重曹をはたいてください。
- 靴の底や、靴自体にニオイがついてしまった場合は靴が入るくらいの大きさのバケツや桶に水やぬるま湯をためて、その中に重曹を溶かします。
- その中に靴を入れて(ニオイのついている部分が浸るようにしてください)その後、3時間程度付けて放置します。
- 付け終わって時間が経ったら、水でよく洗い流すしてください。
- その後はよく水気を切って乾燥させればニオイも落ちます。
- すぐに水で流す
歩いている最中などに、銀杏の実を踏んでニオイがついてしまった時は葉っぱやティッシュなどで銀杏の実を取り、すぐに水で洗い流すとニオイが取れない!なんてこともなくなりますよ。
[4]食べる時の銀杏のニオイ消し
銀杏は食べ所は、からの中なので実は取り除くことでニオイを消すことが出来ます。今回はニオイを消す方法とその時の注意点をご紹介します。
乾燥させる
銀杏の実にはギンコール酸という成分を含んでいて、長時間触れ続けると皮膚がかぶれてしまいます。銀杏を食べる際や拾う際の段階では直接触れないようにゴム手袋や皮膚に触れないよう工夫してください。
銀杏を食べるまでの下処理方法でニオイと取り除く方法をご紹介します。
- バケツの中に水を入れて銀杏が水を被るくらいまで入れます。
- 水と銀杏を入れたバケツを3日置いておきましょう。
- 銀杏の外皮が水を含んでブヨブヨしてくるので、それを確認して銀杏を水から出します。
- 銀杏のブヨブヨとしている外皮部分を流水で流しながら取り除きます(この時も皮膚に直接触れないようにゴム手袋などを装着してください。)
- 種だけを残します。
- 種を通気性の良い場所で数日間天日干しにします。このとき良く乾燥させてくださいね。
- 乾燥した銀杏を室内に移し、ストーブの前で室内干しやオーブンで煎ってよく乾燥させます。
- 銀杏の殻が白くなった状態を確認して2~3個殻を割り中から水が出てこないか確認してください。 水が出て来なければ下処理完成なので。このまま料理に使ったり、火を通して食べることが出来ます。
[5]ニオイの強い銀杏は栄養価がとっても高い
独特なニオイが印象的な銀杏はとても栄養価の高い食材なのですね。上手に対処することで、ニオイも気にならなくなりますし、何より味は絶品です。美肌対策やアンチエイジングケアにおすすめなので女性の強い味方です。摂取量を守ってこの秋は銀杏を食してみませんか?
参考元:旬の食材百科 銀杏
参考元:サイエンスマガジン 銀杏の独特の臭いの理由とは